story

鏡の中に住む猛虎のすがたを見れるのは、縁(えにし)を結んだものだけ。

 

  

 

男子高校生・薩日内 敦(さっぴない あつし)は、陰陽師として除霊を行っては心霊現象から人々を助けていた。

ある日、敦の家に成田みくという女性が訪れ、『心霊を記録して欲しい』という依頼を受けることになる。

敦は鏡の中に住む猛虎の式神スズメと共に、心霊の声に耳を傾けてはこう問うのだ。

 

 

 

「あなたを記憶しでいいべか」

 

 

猛虎を連れた高校生陰陽師のあたたかくて時々切ない漫画。


プロローグ

夏休みの前日、高校三年生であり陰陽師の薩日内敦は帰り道で黒い能面を被った龍の霊に遭遇する。

 

黒い能面の謎に翻弄される薩日内敦のところに現れたのは成田みくという女性だった。



第一話

薩日内家に訪れた成田みくは薩日内敦に『記憶の術』を用いた心霊の研究の協力を依頼する。



第二話

薩日内敦は父親・薩日内賢治から離れるように外出するが、心霊現象に巻き込まれることになる。



第三話

敦たちは心霊現象が時間経過により現実との区別がつかなくなる境食(きょうしょく)を防ぐため、原因の除霊に向かう。その先で出会ったのは駄菓子屋の楽太郎と名乗る陰陽師だった。



第四話

駄菓子屋の楽太郎と駅に向かう敦たち。能面を抱えている敦に対し駄菓子屋の楽太郎は「もしもの話。陰陽師の言葉なしでは式神は『動けない』。能面の呪いに口をふさがれたら――」と言葉を告げようとするも、その途中でナメクジの心霊と対峙する。



第五話

駅に着いた敦たちは陰陽師の少女と出会う。

少女の言葉に耳を傾けた敦は、以前除霊をした龍の心霊の一言を思い出す。