鏡の中に住む猛虎のすがたを見れるのは、縁(えにし)を結んだものだけ。
男子高校生・薩日内 敦(さっぴない あつし)は、陰陽師として除霊を行っては心霊現象から人々を助けていた。
ある日、敦の家に成田みくという女性が訪れ、『心霊を記録して欲しい』という依頼を受けることになる。
敦は鏡の中に住む猛虎の式神スズメと共に、心霊の声に耳を傾けてはこう問うのだ。
「あなたを記憶しでいいべか」
猛虎を連れた高校生陰陽師のあたたかくて時々切ない漫画。
駄菓子屋の楽太郎と駅に向かう敦たち。能面を抱えている敦に対し駄菓子屋の楽太郎は「もしもの話。陰陽師の言葉なしでは式神は『動けない』。能面の呪いに口をふさがれたら――」と言葉を告げようとするも、その途中でナメクジの心霊と対峙する。